親と同じ実家で暮らし、親が住まなくなった後も、自分の配偶者や子と住み続けたいと考えているでしょう。
実家の相続では、長く住んだことや家へお金を出したことだけで、家を取得できるとは決まりません。土地と建物の名義、家族の希望、これから負担するお金を分けて確かめる必要があります。
あなたは、自分の世帯が住み続ける前提を見直す時と、今から家族で確かめられることを順に整理できます。
実家で親と同居し、自分の世帯がその後も住み続けるケースだと、今後どんな時に状況が変わるのか
今の前提を見直すのは、親が実家を離れた時と、親が亡くなった時です。住む人だけでなく、費用を払う人と家について話す相手も変わります。
親が実家を離れて費用の負担者が変わった時
親が施設や別の家へ移った時は、実家に残る自分の世帯がどの費用を引き受けるのか確かめます。
親が固定資産税を払い、自分が日常の修繕費を払っている家庭もあります。親の転居後は、実家と親の次の住まいの両方に費用がかかります。これまでの分担をそのまま続けられるとは限りません。
税、保険、ローン、光熱費、修繕費を一度に並べず、毎年続く費用と一度に必要な費用へ分けます。そのうえで、今の支払者と親の転居後の支払者を確認しましょう。
親の転居は、住み続ける希望を変える出来事とは限りません。ただし、費用を引き受けられるかを確かめ直す時です。
親が亡くなって家の取得を家族で話す時
親が亡くなった時は、自分の居住希望と、親名義または親持分を誰が引き継ぐかを分けて話します。
自分の世帯は生活を続けていても、土地や建物の名義が自動で自分へ変わるわけではありません。親から見た家族関係と、土地・建物それぞれの名義を確かめます。別居する兄弟・姉妹なども、親の財産について話す相手になる場合があります。
最初に伝えるのは「住み続けたい」という希望です。取得方法や家族間の金額は、現在の名義と話し合う相手が分かってから具体化します。
住み続ける人と、家について決める人は同じとは限りません。 この違いを先にそろえると、生活の希望と相続の話を混ぜずに進められます。
【落とし穴】実家で親と同居し、自分の世帯がその後も住み続ける人で、実際に起こりうるケースを紹介
支払ったお金や親の言葉は大切な事実です。ただし、それだけで現在の名義や将来の取得まで決めると、別居家族との前提が食い違います。
改修費を払ったので自分の家だと思っていた
改修費を払った事実と、土地・建物の名義は別々に確かめます。
「浴室と屋根の工事代は私が払いました。親も『この家は任せる』と言っていたので、土地も建物も自分の家として決められると思っていました。」
家へお金を出した人と、登記上の名義人が同じとは限りません。土地は親名義、建物は親子の名義、ローンは自分の契約という組み合わせもあります。
この例から学べることをまとめます。
- 土地と建物の名義を別々に確かめる
- 支払った費用は日付・用途・金額で記録する
- 支払いの事実から所有者を推測しない
登記事項証明書で名義を確かめ、建築費や改修費は領収書や振込明細から拾います。名義と支払いを別の欄に置けば、自分の負担を資料で示し、誰と家について話すかも分かります。
出典: 法務局「登記事項証明書(土地・建物)、地図・図面証明書を取得したい方」
親の言葉だけで家を取得できると思っていた
親の「この家はあなたに」という言葉は、現在の希望として受け取ります。取得が決まった事実とは分けましょう。
「親から何度も『この家はあなたに』と言われました。別居する兄弟・姉妹も同じ話を知っていると思い、家の将来を確かめていませんでした。」
親の希望を聞いていても、家を渡す時期や方法、別居家族の認識がそろっているとは限りません。遺言などの資料があるかも別に確認します。
この例から学べることをまとめます。
- 親の希望を本人の言葉で確かめる
- いつ誰へ伝えたかを記録する
- 家族ごとの理解と未決事項を分ける
親には、誰に、いつ、どのような条件で家を渡したいのかを聞きます。別居家族には、今聞いている希望を伝え、同じ理解かを確かめます。方法の法的な選択は、事実と希望がそろってから専門家へ相談してください。
今のうちにできること・やっておくとよいこと
今からできるのは、名義と支払いを分け、住み続ける条件を家族別に確かめ、必要なお金を二つに分けることです。
土地・建物の名義と支払いを別々に確かめる
まず、土地、建物、ローン、これまでの支払いを別々に確認します。
| 確認するもの | 確かめる内容 | 手元の資料 |
|---|---|---|
| 土地 | 名義人・持分 | 登記事項証明書 |
| 建物 | 名義人・持分 | 登記事項証明書 |
| ローン | 契約者・残額 | 契約書・残高資料 |
| 建築・改修 | 支払者・用途・金額 | 契約書・領収書・振込明細 |
確認できない欄は推測で埋めません。「資料を探す」「親へ聞く」と次の動作を書きます。名義と支払いが同じ表にあっても、同じ意味にはしないでください。
自分の世帯が住み続ける条件を家族別に聞く
次に、親、自分、配偶者、別居家族へ、現在の希望と必要な条件を別々に聞きます。
自分が住みたいと考えていても、配偶者は通勤や修繕費を条件にしているかもしれません。親も、自分が実家を離れた後の使い方に希望を持っている場合があります。回答が違う時は、多数の意見へ寄せず、そのまま記録します。
確認するのは、住みたい期間、費用、家の管理、見直す出来事です。回答日を添えると、転勤や親の転居が起きた時に、どこから聞き直すか分かります。
維持費と取得資金を分けて計算する
最後に、住み続ける間の費用と、家を取得する時に必要なお金を分けます。
税、保険、ローン、通常の修繕は繰り返しかかります。大きな修繕や家族間の金銭調整は、一度に必要になる可能性があるお金です。親が今払っている分も、自分の世帯が引き受ける場合の金額を置きましょう。
まずは資料から確認できる金額だけを書きます。評価、融資、税金など個別の計算が必要になったら、この一覧を持って専門家へ相談すると話が早くなります。
まとめ:名義と支払いを分けて住む条件を確かめる
自分の世帯が住み続けるには、長く住んだ事実や支払ったお金だけでなく、土地・建物の名義と家族の現在の希望を分けて確かめることが大切です。
最初の一歩は、土地と建物の登記事項証明書が手元にあるかを見ることです。ここを飛ばすと、自分で決められる範囲を誤ったまま、取得や費用の話を進めてしまいます。
名義が分かったら、家族それぞれの希望を一人ずつ聞いてください。つぐーるでは、自分の世帯が実家に住み続ける条件を確かめることも含めて、実家の将来をこれから考えるあなたに信頼できる情報を提供しています。

